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木管楽器の冬支度

宮村和宏(Oboe)
2011.1

みなさん、こんにちは!寒くなってきましたねぇ。冬服を着たりして体の方は寒さに備えていると思いますが、オーボエ、クラリネット、ファゴットにも寒い冬に向けて気をつけなければならないことがあります。

まず、何よりも気をつけたいのは「割れ」です。
なにもコップが割れるように楽器が砕ける訳じゃありません。表面に「ピシッ」って感じのひびが入ってしまうことを言います。寒い日に楽器を出して、いきなり吹いたりしてませんか?そんなことをしたらその「割れ」が起こる可能性があります。いや、むしろ「割れてください」って言っているようなものです。
ここで、なぜ割れが起こるのかという事を説明しましょう。
木というものは湿度や温度に敏感に反応するのですが、楽器が冷えきっている時は、云わば縮こまっている状態になっています。そこへ、管の内側に暖かい湿った空気(つまり人間の息)がいきなり通るとその通った所が膨張するのですが、外側はその膨張に追いつけないので割れてしまうのです。
この「割れ」ですが、放置してはいけません。トーンホールにかかってしまったら音が出なくなってしまいます。場所が悪いと修理しても元どおりとはいかない可能性だってあります。
さて、予防法ですが、吹く前によ~く楽器の表面を手で温めることと、寒い場所で吹かないことです。暖める時は間違ってもストーブなどにかざさないでください。これもまた急激な変化で、割れの元となるので注意してください。

あとは、乾燥などで、トーンホールを押さえる「タンポ」が変形してしまったり、クッションコルクが縮んだりして調整が狂ったりすることがあります。「おかしいな?」と思ったら楽器屋さんですぐ調整してもらいましょう。状態の良くない楽器では上達なんてできませんよ?

また、学校の部室などに楽器を置きっ放しにしている人!これらのことは、夜、キンキンに楽器が冷えてしまうことによって起こり易くなります。
楽器にとって一番いい場所というのはやはり人間がいて快適なところです。せめて、楽器ケースを毛布やタオルケットなどで包んであげるだけでも楽器の冷えは随分違います。
さぁ、しっかり冬支度をして、体も楽器も健康に冬を乗り切りましょう!
おしまい

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