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Concert Information
コンサート情報

第167回定期演奏会
マスランカ・チクルス Vol.2

  • 曲目

    ブーレスク風ロンド (1972年委嘱作品)/伊福部 昭
    交響曲第9番/D.マスランカ
  • 共演

    鈴木慎崇(ピアノ)
    チャールズ・グラバー(語り)
  •   
  • チケット

    • 1回券
      一般:5,000円
      U25:2,500円

      ※全席指定・税込
      ※U25は、25歳以下の方のための割引サービスです。公演当日は年齢を証明できるものをご持参ください。
      ※未就学児のご入場はご遠慮ください。
      ※お申し込み後の変更・キャンセルはお受けできません。
      ※公演中止の場合を除き、払い戻しはいたしかねますので、あらかじめご了承ください。
    • 発売日

      1回券
      【会員先行】2024年9月24日(火)
      【一般販売】2024年9月30日(月)

      ※会員先行は定期会員・サポーターズクラブ会員対象
    • 定期会員券
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      2024-25シーズン定期演奏会全4回を同じお席でお得にお聴きいただけます!
    • お申し込み

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      プレイガイド

  • 聴きどころ

    マスランカ・チクルスVol.2

    今回の曲目は2曲。曲数こそ少ないが、その密度は他の定期公演に勝るとも劣らない。今シーズンより開始されたTKWOの新コンセプトを象徴するプログラムと言えるだろう。
    「つなぐ」。過去委嘱作品の再演の機会を積極的に設ける、という指針を受けて演奏されるのは、TKWO委嘱作としては最古の部類に入る1972年作の伊福部昭『ブーレスク風ロンド』。伊福部といえば映画「ゴジラ」シリーズの音楽でも知られており、そのなかに現在では自衛隊が登場するときのBGMの印象が強いマーチがある。これは元々1943年に旧帝国海軍の依頼で作られた吹奏楽曲『吉志舞』が転用されたもの。それを更に大規模に改作したのが、今回演奏される『ブーレスク風ロンド』だ。伊福部がこの旋律を映画で用いる際に「軍隊色が出ることを避けるために弦楽器を多用した」というのは有名な逸話だが、それはかつての「野外で演奏される実用音楽たる吹奏楽」の響きを忌避した、と考えてよいだろう。それを、『吉志舞』から約30年経って再び吹奏楽に託した伊福部の想いは如何なるものだったろうか。そこから更に約50年。現代の交響吹奏楽の響きで受け止め、つなげたい。
    そして、もう1曲が「マスランカ・チクルス」として演奏される『交響曲第9番』。チクルスとしては大井の常任指揮者就任記念演奏会での『交響曲第2番』に続く2曲目だが、定期演奏会での選曲は初となる。2011年に作られた『交響曲第9番』は、規模が大きいものが多いマスランカの楽曲のなかでも特に長大な演奏時間75分の大作である。反戦や環境保全を訴えていたことでも知られる詩人W.S.マーウィンの詩「秘密」の朗読より開始され、信仰・時間・記憶・水・生命・自然・寛容・休息といった様々な観念的イメージに基づいた音楽が展開される。その先にあるのはマスランカ本人の詩「鯨の物語」に導かれる第4楽章。そして40分近くに及ぶ終楽章はバッハのコラール『おお、血と涙にまみれた御頭よ』に辿り着く。大編成を活かすシーンもあるが、室内楽的な静謐さに支配されるこの作品は、旧来の吹奏楽のイメージを覆す。その場で共感せねば得られないものが多いだろう。随所で重要な役割を果たすピアノを担当するのが室内楽奏者としても評価が高い鈴木慎崇なのにも注目だ。
    旧来の吹奏楽とは異なるアプローチを導くことができるのは、吹奏楽を熟知している者。大井が伊福部とマスランカから引き出す吹奏楽の新たな世界が、ここにある。
    〈敬称略〉

    中橋愛生(TKWO楽芸員)
  • 主催

    一般社団法人東京佼成ウインドオーケストラ

※出演者・曲目・時間等は変更になる場合がございます。