フランスの作曲家モーリス・ラヴェルによるバレエ音楽《ダフニスとクロエ》は、2~3世紀の古代ギリシャの作家ロンゴスによる同名の物語を題材とした、全3場からなる作品です。
山羊飼いの少年ダフニスと羊飼いの少女クロエの純愛が、美しい自然と神々の加護のもとに描かれます。
原曲は大規模な管弦楽と合唱のために書かれていますが、第173回定期演奏会では吹奏楽編曲版により全曲を演奏します。
第1場:神聖な森にある牧草地
春の日の午後、神聖な森の端にある牧草地で、若い男女たちがニンフ(精霊)の祭壇に供物を捧げ、踊りを楽しんでいます。 そこにダフニスとクロエも現れますが、牛飼いの若者ドルコンがクロエに思いを寄せ、ダフニスとクロエからの口づけを賭けて踊りで競い合うことになります。 ドルコンの粗野で滑稽な踊りは周囲の笑いを誘い、優雅に踊ったダフニスが勝者となってクロエから口づけを受けます。
その後、一人になったダフニスの前に年上の女性リュセイオンが現れ、妖艶な踊りで彼を誘惑しますが、ダフニスは戸惑い、応じることができません。 そこへ突如、海賊の一団が襲来し、クロエがさらわれてしまいます。 クロエを守れなかったダフニスは絶望のあまり倒れ込みます。 やがて不思議な光とともに3人のニンフが現れてダフニスを目覚めさせ、ギリシア神話の神であるパンの形をした巨大な岩へと導き、祈りを捧げさせます。
第2場:海賊の陣地
切り立つ岩に囲まれた海岸の夜営地では、海賊たちが戦利品を前に荒々しい踊りを繰り広げています。 海賊の首領ブリュアクシスは、捕らえたクロエに踊りを強要します。 クロエは哀願の踊りを踊りながら隙を見て逃げようとしますが、すぐに捕まり引き戻されてしまいます。
ブリュアクシスが力ずくで従わせようとしたその時、大地が割れ、パンの巨大な幻影が現れます。 神の怒りに触れた海賊たちは恐怖に駆られ、四散して逃げ出していきます。
第3場:夜明け前の牧草地
舞台は再び牧草地に戻ります。 美しい夜明けとともにダフニスは目を覚まし、羊飼いたちに連れられて戻ってきたクロエと再会します。 二人は喜びのうちに抱擁を交わします。
そこに老いた山羊飼いラモンが現れ、パンがクロエを救ったのは、かつて愛したニンフのシリンクスへの思いゆえであったと語ります。 それを聞いたダフニスとクロエは、パンとシリンクスの物語を無言劇(パントマイム)で再現し、神への感謝を捧げます。
やがて若者たちが集まり、全員による歓喜に満ちた熱狂的な踊り(バッカナール)が繰り広げられるなか、物語は大団円を迎えます。
第173回定期演奏会
スダーンが贈る、越境の踊り- 日時:
- 2026年4月29日(水・祝)
開演14:00(開場13:00) - 場所:
- 東京芸術劇場 コンサートホール
- 指揮:
- ユベール・スダーン
- 曲目:
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歌劇「サムソンとデリラ」より「バッカナール」/C.サン=サーンス/大橋晃一 編
サクソフォン四重奏と吹奏楽のためのコンチェルト・グロッソ/J.アンドリーセン [TKWO1992年委嘱作品]
バレエ音楽《ダフニスとクロエ》(全曲版)/M.ラヴェル/大橋晃一 編
