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バストロンボーンとはなんぞや??

佐藤敬一朗(Bass Trombone)
2014.2.16

みなさんこんにちは。バストロンボーンの佐藤です。
今回のメルマガのテーマは『バストロとはなんぞや?』
ということで、テナートロンボーンとの違いや、教えに行った先でよくある質問を、書いていきたいと思います。

さて、バストロンボーンといえば、皆さんどんなイメージですか?
楽器がでかい、いろいろぐるぐるしたのがついてる、やたら音がデカイ・・・
などなどあるかと思います。
まずトロンボーンというのは大まかに分けて3つの種類があります。

ジャズなどをメインに活躍する、スライドのみのシンプルな「テナートロンボーン」。「細管」とも言われます。

オーケストラや吹奏楽で、1、2番パートが通常使用する「テナーバストロンボーン」。これには、6番ポジションの音が1番ポジションで出せるように、F管と呼ばれるアタッチメント(迂回管)が着いています。

そして「バストロンボーン」です。
では、バストロンボーンの特徴とは何かというと、テナーバストロンボーンに比べ、マウスピースのサイズが全体的に大きいこと、ベルが少し大きくなっていること、管が太くなっていること、大体の楽器にGesもしくはG管の第二ロータリーが搭載されていることぐらいでしょうか。

しかし!演奏するうえでの役割は全然違います。バストロンボーンは、テューバやコントラバスと一緒に、ベースラインを担当することが圧倒的に多いのです。そのため太く温かい音が求められます。
使う音域も下のほうに固まっていることが多いので、普段はテナーの教則本(アーバン、コープラッシュなど)を1オクターブ下げて練習したり、テューバの教則本やソロの曲を練習したりすることも多いです。
ソロの具体例としては、レベデフや、エワイゼンのコンチェルトなどはテューバでもバストロンボーンでもよく演奏されます。「スターウォーズ」などで有名なジョン・ウィリアムズもテューバにソロの曲を書いていて、それはそれは難しい曲なのですが、バストロンボーンでやっちゃう猛者もいます。シカゴ響のバストロンボーン奏者、C.バーノンさんはCDにも収録していますね。

そして、オーケストラや音楽大学などで専門的にバストロンボーンを吹いている人は、テナーバスを吹かないひとも多いですね。僕もテナーバスは吹けません。ちなみに、昔、ベートーヴェンの第九の演奏を依頼されたことがあって、蓋をあけてみたらアルトトロンボーンのパートだったことがあります(笑)
その日のうちに発覚したので、アルトトロンボーンは吹けませんとお伝えしました。トロンボーンをあまり知らない人からすれば、どれも似たような形してますからね・・・。いやー、危なかった。
そうそう、アルトとは逆に、実はバストロンボーンよりも大きなコントラバストロンボーンという楽器もあるんですよ。 吹奏楽で使っているところは見たことがありませんが、オーケストラではごくまれに使うことがあります。

さて、中学や高校の吹奏楽では、バストロンボーンのことを誤解されていることが結構あります。
指導に呼んでいただいた学校で、1st奏者がバストロンボーンを吹いていたことがありました。「デカくていろいろ付いている一番いい楽器だから使っています」・・・気持ちはわかるけどね。
また、バストロンボーンにテナー用のすごく小さいサイズのマウスピースを使っていることもありました。「先生、低い音が出ません・・・」って、そりゃそうだ。なので、バストロンボーンの生徒さんが、異様に高い音が出るということも結構あるのですが、それはバストロンボーン用のマウスピースではないから、当たり前です。(笑)
たとえばバックのマウスピースでしたら、テナーバスは、6-1/2から3G、バスは、3から1Gというサイズが一般的です。
1stの奏者の楽器に管がいっぱいついていたり、バストロンボーンのマウスピースに6-1/2と書いてあったら、要注意です(笑)

ということで、バストロンボーンのことを少しはお分かりいただけましたでしょうか。興味が湧いた方は、コンサートでちょっと耳を澄ましてみてくださいね!すまさなくても聴こえることが多々あると思いますが!
それでは、素敵なバストロライフを!

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