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フルート157|フルート|東京佼成ウインドオーケストラ Tokyo Kosei Wind Orchestra
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Q & A by TKWO Players
奏法Q & A

fluteフルート

社会人5年目のフルーティストです。現在、レッスンについて4年目になります。
さて、先日、銀座の大手楽器店のフルートフェアにて感じたことですが、かなりお上手な方の音色を聞いていて一つ悩みが発生しました。
今ついている師匠は勿論として、師匠のお仲間の方(そこそこ大きなプロオケのプロ奏者です)の音色を至近距離で聞くことが出来るのですが、悪く言えば荒く聞こえます。雑音がやや多く、荒めの音と言いましょうか・・・だがホールにて聞くと全く印象が異なり、その荒さは煌びやかで明るく雑音などは全く気にならない音色に変わります。お二人とも「フルートとはそういう楽器だから」と仰います。
一方、フルートフェアで非常に上手と思われる方の音色を傍で聞くと、「みっちりと凝縮された雑みの無い音」に聞こえます。(誤解を恐れずに言うと、やや内吹きにした時の音色です。明るい暗いでいうと暗い音色です。やや線は細いけど澄んでいて雑味(雑音)の少ない綺麗な音色です。かといって音量は十分に大きいです。) 
しかしながら、師匠の言葉を借りると「近くでは良いけど、ホールでは飛ばないよ」とのこと。だがアマチュアの私としては、近距離や小さな部屋で聞くにおいては、後者の音のほうが魅力的に感じるのも事実です。 
上記を言葉でお伝えするのは大変難しく感じるのですが・・プロの方の音色を聞ける機会は私にとって師匠とそのご友人の音だけなので比較が出来ないのですが、多くのオケ系(ホールで吹く方)のプロの方の音色を至近距離で聞くと、師匠の言うとおりなのでしょうか?
(流石に師匠にそれを聞くことも出来ずにおります。)
また、両方の音色を出せるように練習すべきでしょうか?
アドバイス頂戴出来れば幸いです。

ご質問者様の書かれているように、我々プロオケ奏者の音色というのは、アマチュアの方が至近距離で聴くと比較的荒く感じる事は多いでしょう。
大方はご自身がご推察の通りです。
稀に雑音が非常に少なく澄んだ音色でも、遠鳴りされる方もいらっしゃいますが、絶対数としては少ないでしょう。

フルートという楽器の発音原理上、音量が増えた時に少なからずシャーリング(雑音)が増加するのは仕方の無いことです。
これを解決するためには『歌口の穴の経口が、息の強さ(量)に応じて自動的に可変するシステム・もしくは金属』が発明されるのを待たなければならないと思います。
しかしそのようなシステムがもし発明されてしまっては、奏者が怠けるだけですから必要ないでしょう。

私も生徒にレッスンをするときに、"音色は可能な限り美しくあってほしい"という事を前提に、アンブシュア等を教えています。
ただ、シャーリングを減らすことだけを追求しすぎてしまうと、結果的に広い会場で演奏した際に音が飛ばない事態になりかねません。
なので、私の場合は【その状況に応じた最適な音色を選択する】ように自身にも心掛け、また生徒の皆さんにお伝えするようにしています。
『広い会場でよく鳴らすためだから、音色は荒くも構わない』と容認している訳ではありません。
ちなみにこれは私個人的な見解であり、プロオケ奏者全員にアンケートをしてみないと分からない事ではあります。

"良い音色"というのは人によって違います。
個人の価値観が違うので当然なのですが、ご質問者様の理想としておられる音色を目指すということが、単純に一番良いのではないでしょうか?
技術的に不可能でないならば、二つの音色と言わずもっと多彩な音色の引き出しを作り、その時の演奏に応じて使い分けられれば、フルートと接する時間はもっと楽しく充実した時間となるでしょう。東京佼成ウインドオーケストラ
【Fl.&Picc.丸田 悠太♪】

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