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アンコンに向けて<混合アンサンブル編>

大浦綾子(Clarinet)
2008.11.9

だんだん寒くなってきましたね。もうすぐアンサンブルコンテストの季節です!最近審査をしていて思うのは,混合楽器のアンサンブルが増えてきたことです。部員が少なくてオリジナルのアンサンブルが組めない学校のみなさんも、いろいろな楽器での組み合わせで頑張ってコンテストに出場していますね!
今日は、そんな皆さんのために少しでも参考になればと、混合アンサンブルのワンポイントアドバイスです!

さて、混合アンサンブルの場合、その編成のために書かれた曲でなければ、どこかのパートを他の楽器に置き換えて演奏しているわけですね。そこでまず 考えなくてはいけないのが、オリジナルの楽器と置き換えた楽器の音量の違いです。
過去に聴いたことのあるアンサンブルで、フルート5本とサックスという組み合わせがありました。きっとフルート6重奏の曲の6番目のパートをサックスで吹いていたのでしょう。でも考えてみると、フルートとサックスでは楽器の持つ音量は全然違いますよね?もしサックスのパート譜にmfと書いてあるからmfで吹いてしまうと、フルートのmfよりもかなり大きくなってしまいます。きっとpかppぐらいの気持ちで吹かないとバランスはとれないでしょう。
そしてそこにもしトランペットが入っていたら・・・・・・。 同じ楽器のアンサンブルはバランスがとりやすいのですが、混合アンサンブルで一番難しいのはやはりバランスです。練習を録音して聴いてみて、ちゃんとメロディーのパートが聞こえているか、ハーモニーのバランスが悪くないか、確認してみてください。
これは余談ですが、私の大好きな楽団に,「モラゲス木管五重奏団」というのがありますが、この人たちの演奏、フルートとクラリネットのハモりではフルート2本のような音に、クラリネットとホルンのハモりではクラリネット2本のような音に聞こえるんですよ!

次に難しいのが音程です。混合アンサンブルの場合、各楽器の音程の特徴をお互いがよく理解していることが大切です。
例えば、フルートは強く吹くと音程が上がりやすく、弱く吹くと下がりやすいですが、クラリネットやサックスは逆で、強く吹くと音程は下がりやすく、弱く吹くと上がりやすいのです。
ダブルリードに関しては、強く吹くと上ずり、弱く吹くともっと上ずるそうです(笑)。
そんな楽器同士が一緒に演奏すると、当然音程のずれが目立ってしまいます。自分の楽器の音程の欠点をできるだけカバーすることはもちろんのこと、「ここは相手がどうしても低めになるから、自分も少し低めに吹いてあげよう!」などというふうに、混合アンサンブルをする場合、他の楽器の特徴を思いやってあげることが大切です。(これは同属楽器のアンサンブルでももちろん言えることですよね!)
それからもう一つ注意するのは、各楽器の発音の違いです。フルートやダブルリードの楽器は発音がクリアーに出やすいですが、シングルリードの楽器はクリアーな発音が難しいので、アインザッツ(音の入り)がそろいにくいことがあります。これもお互いを思いやって発音をそろえることが大切です!

アンサンブルって楽しいですよね。オリジナルの曲でなくても,いろいろな楽器の組み合わせでいい音楽ができるように,楽しみながら頑張ってください!!

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