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バンド全体のサウンドを良くする方法は?

小倉貞行(Tuba)
2001.8.19

バンド全体のサウンドを良くしたい・・という願いはバンドをやっている人なら誰でも持っていると思います。「こうすればいい」と単純には行きませんが、いくつかの方法を上げてみましょう。ただし、例によって大変に個人的な意見です。

○ 不快な音を出さない!
当たり前のようですが、実際には聴くに堪えないような不快な音を平気で出しているバンドが少なくありません。コーラスで怒鳴り声を出したらすぐに気が付くのに、バンドではわからなくなってしまうのです。演奏していて心地よく、もっと聴いていたいような音を出す。これだけを心がけてもサウンドはずっと良くなると思います。

○オーケストラのサウンドの中心は弦楽器、バンドは木管楽器
オーケストラの並び方は前から弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器となっていますがどうしてか知ってますか?「音が小さい順」と思っている方もいるでしょう。確かにそれもありますが、「音の立ち上がりが遅い順」とも言えると思います。この順に並んでいると同時に音を出してもちょうど良くブレンドするのです。
そしてオーケストラのサウンドの中心はなんと言っても弦楽器です。弦楽器の音の立ち上がりは人の声に近く、一番心地良いのだと思います。オーケストラでは弦楽器のサウンドを中心にして、他の楽器は弦楽器にとけ込ませるようにサウンドを作るのがベストだと思います。
バンドの場合は弦楽器に当たるのが木管楽器です。その中でも特にクラリネットは一番人の声に近いと思います。オーケストラが「主食とおかず」でバランスがとれているのに対し、バンドは「おかずだけ」なのでくどくて飽きやすいのです。まずクラリネットの木の暖かいサウンドが中心となり、他の楽器はそのサウンドにとけ込ませるようにするのがベストだと私は思います。

○ 「みんなソリスト」ではいいサウンドは出来ない
どんなにすばらしい奏者が50人集まっても、それぞれがソロを演奏するつもりではいいサウンドは出ません。お互いに聴き合って、とけ込ませるように演奏して初めていいサウンドが出来るのです。

○ 「とけ込ませる練習」をする
「指揮者に合わせるのが一番大事」と思っている方が多いと思いますが、プロは「音が合っているのが一番大事」と考えていると思います。聴衆は音を聴いているのですから。どういうことかというと、神経の半分を指揮者に、残りの半分は周りを聴いて合わせることに使っているのです。
普段の練習で出来ることは、とにかく周りを聴くことに集中し、「今回はクラリネットに自分をとけ込ませる」「今度はホルンにとけ込ませる」「次は自分がリードする」といった練習が効果的だと思います。試してみてください。

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