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いいリードの選び方<クラリネット編>

大浦綾子(Clarinet)
2001.8.26

今回はメルマガ読者の方からのリクエスト・・『私は中学校のクラブで一枚ずつリードを買っているんですが、いつも吹きにくいのばかりにあたってしまいます。いいリードの選び方が知りたいんです。』・・にお答えして、クラリネットのリードの選び方を取り上げてみました。

さて、私達リード楽器にとっていいリードを見つけることは、ロングトーンや音階練習をするのと同じぐらい大切な事と言ってもよいでしょう。
ではリードの良し悪しを左右する条件は何でしょう?
それは、ズバリ材質です。
リードというのは、葦(アシ)という植物からできていて、自然の物なので、一枚一枚違っているし、使っていくうちにどんどん変化していきます。いい音が出るかどうかは、その葦の質がいいかどうかなのです。

・・・といっても、それはある程度上達した、楽器上級者の人達が気にすることで楽器を始めて間もない皆さんにとってのいいリードとは「楽に音が出るリード」と思ってください。

質問してくださった方(名前が分からないので、Aさん)の学校では学校で何箱かまとめて買ったリードをみんなが1枚ずつバラで買っているのでしょうか?
とするとみんな1種類のリードを使っているんですね?
いいリードが当たらない原因の一つとして学校が買っているリードの厚さがAさんには合わない、ということが考えられます。
リードには厚さの段階があって、例えばヴァンドーレンでは、2、 2,1/2(2半と読む) 3、3,1/2、 4、 4,1/2、 5、と 私の知っているかぎりでも7段階の厚さに分かれています。箱の側面に書いてあるので見てみてください。

一般的に、3 か 3,1/2 を使いますが初心者などは、2,1/2でもよいこともあります。
また、マウスピースとの相性によっても違います。
例えば、楽器を始めたばかりの初心者は、とにかく音が出やすいように 2,1/2 のリードを使い、何カ月か経って音が出るようになってきたら 3 を使うようにして3年生になって息がしっかりしてきたら 3,1/2 を使う・・・ということはよくあることなのです。
ですから、もしAさんにとっては 3 のリードが吹きやすいのに学校が買っているのが3,1/2 だとするとどれも厚すぎて吹けないということになります。また、その逆もありえます。もし、他の厚さのリードを試せるなら、ぜひ吹いてみてください。

次に、厚さはちょうどいいけど吹きにくいという場合
これは最初に書いた、材質の問題ですねぇ。選ぶ時は、吹いて選びますか?
吹けないときの為に、見た目の選び方を説明しましょう。
まず、色は「明るいベージュ」。
表面上半分(削れている部分)に、黒い筋やシミがないもの。
表面下半分(リガチャーが当たる部分)は色が均一で模様が少ないもの。
(模様はあってもよいが、全体が真っ黒になっているものは×。)
そして、光に透かして見た時削れている部分の厚い部分が、きれいな山型になっているもの。でも、いくら目で見てきれいでも実際に音を出してみないと分からないんですけどね。

では、吹いて選ぶ場合ですが基本は前にも書いた通り「楽に音が出る」ことです。
強い息を吹き込んだ時、息がつっかえて、深く入って行かないようなのはダメです。
それから「ザー」とか「シャー」とかいう雑音が音に混じるのもいけません。
音が「びゃー」と開いていたり、高音がぶらさがるのはリードが薄すぎるのかもしれません。

・・・と、いくつか書いてみましたが
Aさんの場合、いろいろな状況を考えると問題はリードよりマウスピースにあるのかもしれませんよ。マウスピースが悪いと、どのリードを吹いても合いませんから。

私は、中学生には、ヴァンドーレンの5RVライヤーというマウスピースを薦めます。
楽器を買った時に付いてくるマウスピースはほとんど使えないものと思ってください。
それから、マウスピースも消耗品で、何年かで寿命が来るのでもし、今使っているのが学校の備品で、何年も前から先輩達が使っている物なら、そしてAさんが高校生になってもクラリネットを続けようと思っているなら、マイ・マウスピースを買うことをお勧めします。マウスピースを変えると、いいリードが見つかりやすくなるかもしれませんよ。

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