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バンド全体の音程を良くするには?

小倉貞行(Tuba)
萩谷克己(Trombone)
2001.9.2

今回は、多くのバンドの悩みの種となっている音程についてです。
音程を良くするための方法を団員二人が違ったポイントから見ていきます。

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★小倉貞行

楽器を始めて数年の人にただ「音程を合わせろ!」と言っても無理です。また、チューナーを使って機械に合わせるだけでは耳は養われません。音程を合わせる能力を上げるための方法を考えてみましょう。

※音程が合った演奏をいっぱい聴いて、合っているときの響きを体で覚えるプロの奏者はあまりチューナーには頼りません。自分の耳を信じているからです。音程が合っているときの響きを体で覚えているのです。
始めて間もない人はまずCDなどでいい演奏をいっぱい聴いて、音程が合っている時の柔らかく、広がりのある響きを体で覚えてください。

● チューナーを使って合わせる
とはいっても、まだ音程が不安定なうちは基本的な音程はチューナーを使って合わせましょう。日本ではA=442Hzが一般的で、市販されている楽器も442Hzを中心に設計されていると思います。時々『ピッチは高い方が華やかな音がする』と信じている人がいますが、全体の音程バランスが崩れてしまいますからあまり極端には変えない方がいいでしょう。

● 楽器に問題がないのに音程がおかしい場合は奏法をチェック!
楽器には特に問題がないのに音程がおかしい、という場合は奏法に問題があるかもしれません。楽器が一番よく鳴るポイントで吹けばそれほど音程が狂うはずはありません。まず楽器が一番いい音で鳴るように意識しましょう。

● 倍音の多い柔らかい音は多少音程がずれていてもブレンドする
いくらチューナーでは合っていても、力んでねじ込むような吹き方をすると他の楽器とブレンドしません。反対に、力まずにのびのある柔らかい音を出す人は、多少音程が合っていなくても他の楽器と溶け合うのでブレンドしたサウンドが出るのです。こういう音を私たちは「倍音の多い音」と呼んでいます。本当にいい状態で楽器が鳴っていると、オクターブなど倍音が響くようになり、バンド全体も倍音が多く、深みと広がりがあるサウンドが出せるようになるのです。

● 聴く! 聴く!! 聴く!!!
プロのオーケストラは演奏会のための練習を1〜4日間くらいしかしません。それ以上必要ないからです。そのかわり練習の時には周りに神経を集中して聴いて合わせるのです。
指揮者に合わせることはもちろんですが、それ以上に聴くことが大切です。

テューバ 小倉貞行

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1:ありきたりですが、「3D」に代表されるバンド・トレーニングのエチュードをバンド全体で全調のハーモニー・トレーニングを毎日1度練習する事です。その場合、鍵盤楽器(キーボード)を一緒に弾いてもらう事が大切です。というのは、管楽器だけで合わせると、温度変化により、皆で高い状態になっても気がつかなかったり、Bb管が多いために、Fの音が高いピッチのまま改善されないという現象がおこりやすいのです。

2:温度変化に敏感になりましょう。
温度が1度変化すると3セント変化します。つまり、冬の凍るような0度から真夏の35度まで変化すると、3×35=105セント、つまり半音を越えてしまいます。ほとんどのホールはステージの気温が25度ぐらいですから真夏の35度の場所で練習して、チューニング管を伸ばしたままステージに出るとぶら下がってしまいます。しかも温度ですぐにピッチが変化する短い管の楽器と変化しにくい長い管の楽器との間で格差が出来てしまいます。
「ピッチ感」を大事にするためにはどんな気温でも同じピッチを維持する事が大切ですが、管の長さを極端に変化させると楽器本来の音色が出なくなります。どちらを選ぶかは私もまだ結論が出ていません。が、経験上、30度を越えたらA=444HZにしています。
 理想的にはエアコン付きの練習場所を確保する事です。
トロンボーン 萩谷克己

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