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疲れた唇を何とかする方法

萩谷克己(Trombone)
小倉貞行(Tuba)
2002.7.28
2002.8.3

※「本番前に吹きすぎて本番の時は唇が疲れてしまった」というのは金管奏者がよくしてしまう失敗です。でも練習しなければいけないし・・・。
こんな悩みに今回はできるだけお答えします。回答はトロンボーンの萩谷克己です。


★悩み: 曲の途中なのに、口が疲れてきているせいか、音もでないし、(特に高い方)また、雑音のようなものも入ります。こういう場合はどうすればいいのでしょうか?

この場合は休む事が一番大切です。高い音に雑音が混ざるのは上唇が萎縮しています。根性で吹いているとそれば慢性になり、直らなくなってしまいます。もっとひどいときは唇が変形します。もしも唇が疲れていない時に雑音が出ないで疲れた時にだけ雑音が混ざるのであれば、疲れそうになるちょっと前に休めば予防できます。もしも疲れていないのに雑音が入るのであれば慢性になってますので、その音域をだれかに代わってもらうのが良いと思います。金管楽器は器楽であっても唇が命です。楽器は声楽の声帯とおなじようにデリケートに扱って下さい。

★悩み:曲の途中、吹き過ぎなのか唇が振動している感覚がなく、(口がばてて)音が全く出ません。どうしたらいいでしょう。

多くの人に理解していただきたいのですが、金管楽器は声楽と同じです。楽器は音を出す道具ではなく、共鳴の道具です。音を出す唇がバテるという事は声が枯れるのと同じ事なのです。あなたは大声を出しすぎて声が枯れたらどうしますか?きっと出来るだけ声を出す事を控えるでしょう?これからはそうならないように気を付けて下さい。今できる事は、先生に事情を話しして、ウォームアップも少なくし、本番前も出来るだけ音を出さないで本番の集中力にかけてください。

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※「本番前に吹きすぎて本番の時は唇が疲れてしまった」というのは金管奏者がよくしてしまう失敗です。でも練習しなければいけないし・・・。
こんな悩みにできるだけお答えします。後編の回答はテューバの小倉貞行です。

★唇が疲れる原因は?
唇が必要以上に疲れる場合、何か原因があるかもしれません。また、できるだけ疲れないように吹くためにはどうしたらよいのでしょうか。


★プレスは唇が疲れる一番の原因
唇をマウスピースに強く押しつけると、あとが付いたり、唇の血行が悪くなり唇が疲労する原因になります。必要以上にプレスしないようにしましょう。


★唇は弦楽器? 横に引きすぎにも注意
金管奏者が音を出す時の唇の状態は、弦楽器が音を出す時に似ていると思います。弦が振動するのは唇が振動するのに似ています。そして音の高さを変える方法は2種類あります。

・弦の張りの強さを変える
・長さ(ポジション)を変える

この二つです。
「弦の張りの強さを変える」のはねじを締めたりゆるめたりすることです。
そして唇を横に引いてハイトーンを出すのは弦楽器のねじを締めることと同じだと思うのです。ある程度は音を高くできますが、ピーンと張ってしまうとそれ以上は引けません。
ハイトーンを出すと唇がすぐに疲れる人、ハイトーンの限界がすぐに来る人はチェックしてみてください。もちろんある程度引くことは必要ですが、引きすぎると唇の疲労の原因になると思います。


★練習しすぎと練習不足
運動と一緒で、本番前に練習しすぎると疲労がたまります。では練習しなければ疲れないのでしょうか。
皆さんも経験があると思いますが、何日もずっと練習しなかった後に吹くとすぐに疲れてしまいます。これは入院してベッドに寝たきりになるとすぐに足の筋肉が落ちてしまうのと同じだと思います。楽器を吹く時に使う筋肉は、日常生活ではほとんど使いません。そのため練習していないとその筋肉が落ちてしまうのでしょう。


★結論!?
「普段しっかり練習、本番前は疲れをためない!」
金管奏者は普段しっかり練習をしてすぐに疲れない唇を持続することが必要です。でも本番前は疲れを残さず、フレッシュな唇で吹きましょう。

※ワンポイントアドバイスは個人的な意見で必ずしも「正解」ではありません。

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