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新入部員、初心者への指導法について<木管&コントラバス編>

松生知子(Clarinet)
2008.4.6

4月に入り、スクールバンドの皆さんにとってはフレッシュな新入生が入部してくる季節になりましたね!そこで、初めて楽器に触れる人たちに対して、どの様な事に注意して指導してあげたらよいかを、TKWO各奏者の協力によりまとめてみました・・・初心者の方も経験者の方も是非参考にしてください♪


【フルート】
フルートは音が出せるようになるまでがちょっと時間のかかる楽器です。
大事なポイントとなるアドバイスとしては、ただリッププレートに唇を乗せるのでなく、少し押し当てるようにして唇の穴から息の当たる歌口のエッジまでの距離を近づける工夫をしましょう。角度は内向き過ぎず外向き過ぎず・・自然な音色を探してください。アンブシュアは唇の左右に軽く閉じるような力を入れて唇中央は力を抜きます。その状態で息を小さな穴から圧力をかけて吹きます。穴は真ん中に出来なくてもOK。出来るだけ細く、スピードのある息を作りましょう。
時々あごを下げたり喉をしめてしまっていないかチェックしながら正しいフームに慣れてくださいね。


【オーボエ】
オーボエは道具として繊細な楽器です。最初にその事をしっかりと伝えましょう。例えば、リードをくわえる時に歯に先端をぶつけてしまったり、女の子は指を確認する時にリードを髪に突っ込んでしまったり、また吹かない時にリードを楽器に挿したまま椅子に置きっ放しにしてスカートやズボンが触れたりすることがないようくれぐれも気をつけて見守って、また指導してあげましょう。楽器本体も、組み立てる時にキーを握らない、コルクがきついならグリスを軽く塗る(塗りすぎ注意!)またジョイントの所のキー同士がぶつからない様に気をつける、など大切に扱う事から教えてあげましょう。
楽器、リードの良い状態あって初めて良い練習ができる、という事を知っておいてくださいね。


【クラリネット】
まずは楽器の組み立て方を指導しましょう。上管、下管がズレずに正しく組み立てられているかチェックしてあげてください。そしてマウスピースですが個人で購入するのが理想ですが、学校の備品などを使う場合は先端の欠けていないものを使わせてあげましょう。リードの位置も低すぎないか、高すぎないかチェックしてあげてください。またその時リガチャーのネジを強くしめすぎないよう指導しましょう。あと指の形が安定するまではリングキーを指でちゃんと塞げているか見てあげてください。少しでも隙間があると音がでません。
また初心者は上級生の吹き方を真似ようとします。下級生の前ではよそゆきの音で吹いて下さい。開放のソの音で大きくしたり小さくしたり音量を変化させて吹く練習を行いましょう。メロディを表情豊かに吹く仕掛けを作り、同時に正しいピッチを保てるようになります。マウスピースだけでの練習は大変難しいので行わないほうが無難です。


【ファゴット】
まずは構え方ですがリードに口を近づけるのではなくリードを口に引き寄せる様に。
次に姿勢ですが、肺を押し潰すことの無い楽な姿勢を造る様にしましょう。
そしてアンブシュアですが、これはあまり造ろうとせず自然な形が良いと思います。母音のオーと少し極端に発した時に中心に向かって盛り上がる下唇の上にリードを置いて、上下で優しく包み込む感じです。この時リードを噛みすぎない様に。そしてドからゆっくり下降、上昇してみましょう。この時口に掛かる圧力や息の使い方が下降、上昇時でどの様に違うかを認識させて下さい。低音域は体も力まず楽に鳴らせるので充分に響くようになるまで練習を。この音域での息の扱い方は中高音域に於いても応用できるのでとても重要です!


【サクソフォーン】
まずは吹奏楽をされるならクラシック系のCDを聴いて音のイメージを掴むといいですね。標準のセッティングで美しい音を目指しましょう。具体的にその代表的注意点をあげます。
1,楽器の状態の良いものを使う。ちゃんとタンポがふさがり無理なく低音まででるもの。古くても調整がきちんとされていればいいです。
2,リードは最初は2半くらいで、音が出やすいものから基礎練習をしましょう現在ではマウスピースだけでの練習は意味がないとされています。楽器を使うか、少なくともネックをつけてロングトーン。
3,くわえ方ですが下顎が梅干しの種みたいに膨らまないのが理想です。
4,リードの先端とマウスピースの先端の位置を合わせると音がまとまって良いです。ということはリードの固さをそれに合わせて選ぶ事です。なにも3半だけが良いわけではありません。良い音がでて柔軟な反応の可能なリードを選びましょう。
5,練習法を定着させましょう。まずロングトーンや音階(種々アーティキュレーションのバリエーションを含む)自分のレベルに合わせた教則本を使う。
自分達に与えられた曲の練習。
自分の気に入っているソロ曲等個人で選んだ曲の練習。

以上このポジティブ5本立て練習法でかなり腕があがりますよ。


【コントラバス】
さて何に一番注意して教えるべきでしょうか・・・弓を持つ形、左手のフォーム、楽器に対しての立ち方・・・僕はまず第一に楽器の調整がしっかりしているかを見ます。今まで学校の備品のコントラバスを何台も見てきましたが、あまり状態が良くなく上手くなろうにも無理な楽器が多いようです。
楽器がきちんと調整されているなら・・弓の持ち方をきちんと教えましょう。できれば専門の方に習うのが回り道をしなくてすむのですが。今は様々な資料ネットの画像などで弓の持ち方が見られるので参考にしてください。弓がちゃんと持てたら、開放弦のロングトーンを大きすぎない音量でやりましょう。弦がしっかり振動しているように。
それができるようになったら音階をさせるのではなく、ポジションの形を覚えましょう。様々な教則本がありますが、どれもほとんど同じ指使いをしています。人差し指、中指、小指で半音~半音を作れるように。弦を押さえるのは初心者には大変な事です。とにかく弦が指になじむよう焦らずじっくり練習していくのが良いと思います。
あと、とにかくコントラバスの教則本を手に入れましょう。どのように音程を作るのかはそれでしか理解できないかれです。

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