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楽器別おすすめエチュード <金管、コントラバス編>

並木博美(Horn)
小熊俊明(Trombone)
酒井一也(Bass Trombone)
岩黒綾乃(Euphonium)
小倉貞行(Tuba)
前田芳彰(Contrabass)
2009.5.10

お待たせいたしました!おすすめエチュード金管、コントラバス編です。
今は世界中の教則本がワンクリックで簡単に手に入る便利な時代ですね。でも沢山ありすぎて、専門的な知識がないと、一体どれを使ったらよいのやら途方に暮れてしまうのも事実です。そんな皆様のお役に立てたら幸いです。
教則本には、名プレイヤーがどうやって上達したかというヒミツがいっぱい。
そのようなありがたい物は大いに利用しましょう!

※オンラインで購入できるものはそのサイトを紹介しておりますが、輸入盤の場合、送料などをよくご確認の上お買い求め下さい。


◇ホルン デイブなミッキー(※編集部注:並木博美です(^_^;))

初級(始めたばかり)~中級(音階とスラーが2オクターブかろうじて出来るくらい)用 で比較的安価で手に入りやすいものを選びました。
基本的な音についての考え方や音の出し方(タンギング・呼吸の仕方・音の形・スラー・スタッカート・レガートなどの吹き方など)楽器の構え方、姿勢なども細かく説明してくれています。口の作り方なども大変参考になります。練習の仕方もていねいに書かれたものが多いです。

1.「朝練 ホルン 毎日の基礎練習30分」山本真著(全音楽譜出版社)
文字通り朝練のみならずデイリートレーニングでやるべき項目が判りやすく書かれていて効果的に練習出来る。(初級~中級)

2.「うまくなろう!ホルン」樋口哲生著(音楽之友社)
学生&初心者に向くホルン教本。
【内容】1.基礎の練習(楽器の選び方;楽器の手入れと扱い方;正しい姿勢と楽器の構え方/他)/2.いろいろな奏法の練習(苦手意識を克服するタンギング練習;ダブル・タンギングとトリプル・タンギングの練習;高音をマスターしよう/他)/3.いい演奏をするために(簡単な曲を吹いてみよう;移調の方法;ソロの名曲に挑戦しよう/他)

3.「中学生・高校生のための管楽器入門 ホルン」(音楽之友社)
ホルンの歴史や練習の仕方、アンブシュアや楽器の構え方など基礎的な事柄の習熟に徹していていろんなページを必要に応じて組み合わせて練習出来るようになっている。著者による練習曲もわずかながら書かれている。(初級)
実はデイブなミッキーことなみきひろみのかくれた著

◇トランペット 本間千也

トランペットのみならず、全ての金管楽器のバイブルと言われているのが、

1.「アーバン金管教本1」J.B.アーバン著 (全音楽譜出版社)
こちらは避けては通れないエチュードでしょう。
トランペット奏法のすべてのエッセンスが含まれています。

この春に楽器を始めたばかりの方におすすめのエチュードは、

2.「初心者小・中学生の楽器入門『トランペットをふこう』」池田英三子著
(中央アート出版社)
模範演奏のCDつきです。
特徴は、小・中学生が自分で読みながら何に気をつけながら練習したらよいのかわかるようにやさしく解説していること、また金管楽器をよく知らない先生がどういうことに注意しながら指導すれば良いかも書いてありますので、指導者の方にもおすすめのエチュードです。

その他に、リップスラーの上達には、「LIP FLEXIBILITIES」C.Colon著(Charles Colin)がお勧めです。音楽大学の試験課題にも採用される、リップスラーばかりのエチュードです。
音色作りや音域拡大、ウォームアップには、「Warm-Ups+Studies」J.Stamp著(BIM)をお勧めします。
指使いや息の流れ、タンギングにも応用できるエチュードとして、「TECHNICAL STUDIES」H.Clarke著(CARL FISCHER)も、プロを目指す演奏家は必ず学ぶエチュードです。

◇トロンボーン 小熊俊明

全体として行う合奏、分奏をメインと考えた場合に、個人で行う練習で必要な項目ごとに紹介します。

<インターバル>
準備運動的なもので全ての音域をロングトーン、リップスラー、タンギングで演奏できるようになることが目的
1.「Warm-Up Exercises for Trombone」Remington著(Accura)

<技術的練習>
自分の弱点を補い正確性を身につける練習
2.「Method for Trombone」Arban著 (CARL FISCHER)

<音楽的練習>
フレージング、音量のコントロールといった音楽的な要素を具体的に
3.「Melodious Etudes」Joannes Rochut著(CARL FISCHER)

以上3冊紹介しましたが、決して多くの楽譜を用いることが良いとは限りません。

◇バストロンボーン  酒井一也編

小熊氏推薦のエチュードも十分バストロンボーンで演奏可能です。特に1のRemington著「Warm-Up Exercises for Trombone」は是非練習して欲しい本です。
その他に挙げるとすると、市販されているバストロンボーン用のエチュードはあまり面白いのがないので私はチェロのエチュードを使っています。

1.「113EXERCISES FOR VIOLONCELLO」 Dotzauer著 (EDITION PETERS)
音の跳躍がかなりあり難しいですが、ゆっくり演奏すればできると思います。
リップスラーの練習に良いでしょう。

もう一冊は、バストロンボーン用ではありませんが音が高くないので十分演奏可能で中級者レベルです。
いろいろな曲がアレンジされて出てきますので、楽しみながら勉強出来ると思うので紹介します。

2.「ラーン・トゥ・プレイ最新トロンボーン教本Book1&2」
チャールズ・F・グース著(全音楽譜出版)

◇ユーフォニアム  岩黒綾乃

ユーフォニアム専門の教則本は、いくつかありますが、楽器についてや、初歩的なことが書かれているものが多く、初心者には、とても向いています。一方で、楽器の経験年数があり、技術の向上を目指す時、ユーフォニアムの専<br />門の教則本は、正直あまり使わないのです。金管楽器は、大小違いはありますが、基本的な奏法は一緒なので、他の金管楽器の教則本を使用します。オススメは、
1. 「Warm-Up Exercises for Trombone」Remington著 (Accura)
オリジナルは、トロンボーンの教則本で、ロングトーン、リップスラー、タンギング、スケールなど、シンプルで基礎的な練習方法が出ていて、日々のウォーミングアップに最適です。

2.「アーバン金管教本1」J.B.アーバン著 (全音楽譜出版社※in B♭ト音記号)
金管楽器奏者なら必ず知っててほしいです。in B♭ト音記号とin C へ音記号バージョンがあります。ト音記号の方には解説が日本語で訳されています。オリジナルがコルネットのためで、たくさんのテクニックが書かれています。欲を言うなら、低い音域の部分がもう少しあるといいなぁと思います。

3.「TECHNICAL STUDIES FOR CORNET」H.L.Clarke著 (CARL FISCHER)
オリジナルは、コルネットのために書かれています。曲の中の早いパッセージを鮮やかに演奏するには、この教則本を使って、フィンガリング(指使い)を鍛えましょう。

◇テューバ 小倉貞行

1.「Mastering The Tuba Completed」Roger Bobo著 (BIM)
ソロのCD等でも有名なボボ氏(現在武蔵野音楽大学客員教授)のエチュードです。
タンギング、スラーなどいろいろなテューバの奏法を分析、解説しています。
初心者からプロ奏者のレベルまで対応しています。
親切な日本語訳付きです。(あ、翻訳は私です。(^^ゞ )

2.「43 Bel Canto Studies for Tuba」Bordogni著(ロバート・キング)
テューバでスラーのメロディーを吹く機会は少ないですが、難しいですね。
このエチュードはそのスラーのメロディーばかりを集めた有名なエチュードです。
スラーをうまく演奏することはもちろんですが、長いフレーズのブレスの使い方を練習します。

3.「60 Selected Studies」C. Kopprasch著(ロバート・キング)
これも音大入試などでよく使われる有名なエチュードです。
速いパッセージや跳躍などテクニックを付ける目的に向いています。
中・上級者向けですが、テンポを落とすことで初級者でも演奏できると思います

◇コントラバス 前田芳彰

コントラバスの教則本ですが、初心者用の物で僕が使ったのは、

1.「NEW METHOD FOR THE DOUBLE BASS BOOK1」
F.SIMANDL著(CARL FISCHER)
です。ほとんどのプロ奏者が使った事のある教則本です。コントラバスを演奏する上で大変なことの一つに音程を作るということがありますが、この教則本はその部分が階段をゆっくり昇っていくように低いポジションから上の音域にいくように書かれています。それと共に、ポジション移動についても書かれていて、この教則本を正しい奏法で進む事により、吹奏楽で使う音域はすべてカバーできるようになります。
あと、練習曲も良く書かれていて、機械的になりすぎず歌うことも覚えられるようになるでしょう。
ただこの教則本では左手で行うポジション移動がちょっと雑になるかもしれないので、そういう方には

2. 「HIYAMAノート」檜山薫著(ドレミ楽譜出版)
がお薦めです。この教則本は1のSIMANDL(シマンドル)の習得のために書かれています。檜山先生は僕が一番最初にレッスンを見ていただいた先生で、このHIYAMAノートをみると先生のお宅で丁寧なレッスンをしていただいた事を良く思い出します。この教則本はSIMANDLを持っていることが前提で、主にポジシ
ョン移動を丁寧に確実にできるようにするための物です。
あと、有名な教則本は故ルードビッヒ・シュトライヒャー教授が書いたものや、ハンガリーのモンタークさんの物などがあります。しかし、ほとんどの先生は教則本にシマンドルを勧めるでしょう。最初の開放弦の練習も良く書かれていて、弓の使い方を練習するにも良いと思います。
毎日少しずつ教則本の練習を続けて、コントラバスを楽しめるよう頑張ってくださいね!

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