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音楽のための呼吸について

前田綾子(Flute)
2009.5.17

私達は眠っている時も、確実に呼吸をしているわけですが、演奏するための呼吸はトレーニングしなければなかなか音楽に結びつくものになりません。
管楽器を演奏するための呼吸法マニュアルは、頭ではよ~く理解していることだと思いますので、今日はブレスと息の吹き方のイメージをご紹介して、音楽のための呼吸の意識を高めていただきたいと思います。

まずはブレスについて。

長いフレーズやブレスからブレスの間隔が長い場面で、私達は吐く息が体内で残り半分を過ぎたころから、思考能力とコントロール力が比例して減っていきます。。。「息が持たない!」と強く感じた時には、もはや出来ることも出来なくなるほどにパニック状態に。焦って指は回らず、テンポ感も安定せず、良い音程など考えるヒマもありません。もちろん豊かな音色を作ることもきっと不可能です。人間、ゆとりや余裕はいつでも大切・・。フレーズの最初の'深いブレス'が、のちの演奏内容を決定するほどに重要なのです。特にフルートの場合は、少ない息の量で音圧を作るのが難しいため、ほかの楽器に比べてすべての場面で息が持たないですよね。私は身長152センチで肺活量は2000ちょっと。
そんな私がいつも意識しているブレスの取り方、特に女子のみなさんぜひトライしてみてください♪

まず。

普通に息をしている身体の状態から、胸を張ります。胸を反るのではありません。肋骨(ろっこつ)を広げて、胸囲のサイズを大きくするような感じです。その状態のままでも息を吸ったり吐いたりできますよね? では、その状態から息を吸ってみてください。お腹や背中にまで息が深く入る感覚があれば! とても幸せです。

ブレスからブレスまでの間が長い時には、このような吸い方をヒントにして貯金(貯息)してください^-^

しっかり深く息を吸えれば、吹くときにお腹の支えとともに安定した息の流れを作ることができるはずです。最初のプレスが浅いと、身体に無駄な力が入ってしまい、のちのブレスも更に浅くなってしまいます。力まないために深いブレスを大切に・・と思ってくださいね^0^

さて、

肋骨を広げて深く吸った息を吐く時、もちろん張っていた胸もだんだん小さくなりますが、お腹でしっかり支えていると、次にブレスするときには演奏呼吸のために大切な力以外は入っていないと感じませんか?大切にしてほしいのは、吸うのも吐くのも、余計な力が入っていないと意識できることなのです。
勢いよく力まずにブレスし、音が進むように息が流れていくように吹くことができれば、「息が足りない」という感覚が少しずつ減っていくハズです。

最後に、音を「吹く」というイメージのお話です。

楽器に息を吹き込めば音は鳴りますし、管楽器でなくとも、楽器を弾いたり叩いたりすれば音は必ず出ます。でも、'音'を"音楽"にする時、1音だけでも音楽にする時・・私達は'音'を前へ進ませなくてはなりません。休符でも音楽は進んでいます。それをブレスで表現しなくてはなりません。ブレスでスタートした時点で、吹く音を「動かしていく」というイメージを持ってみてください。音を並べるのではなく、音から音へ流れ進ませていくエネルギー♪
みなさん、是非とも音を生き物に変えていくような呼吸をイメージして、音楽表現につなげていってくださいネ^0^

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