持ち替えのコツ<サクソフォーン、トランペット編>
安藤 真美子(Trumpet)
本間 千也(Trumpet)
2010.12.19
先月、フルート、オーボエ、クラリネットの持ち替えについて当団団員にコツを教えてもらいましたが、お役に立ちましたでしょうか?
今週は、サクソフォーンとトランペットの持ち替えについてです!
大変長らくお待たせいたしました!
サクソフォーンは須川が。トランペットは、安藤、本間が、コツをお教えいたします。
<<サクソフォーン>>
主要な楽器だけでもソプラノ、アルト、テナー、バリトンと4種類があるSax。
持ち替えの発生する機会も多いセクションです。そんなSaxの持ち替えのコツは!?
・それぞれの楽器を自然に構えて、即座に柔軟に演奏できるように、事前に各楽器で次の項目をチェックしておきましょう。
1,アンブシュア。楽器ごとのくわえる形を把握しておくこと。例えば、歯の当たる位置は、アルトの場合マウスピースの先端から1cmを標準とするとソプラノ0.8cm、テナー1.2cm、バリトン1.3~1.4cm程度となります。
2,音程。E♭管、B♭管それぞれに、特徴的な音程の癖(傾向)があるので、それを把握しておくと良いでしょう。
・曲中で持ち替える場合は、吹いていない方の楽器のマウスピースキャップを可能な限りしておくこと。リードの急激な乾燥が防げます。
・リードは全体的に少し軟らかめにしておいた方が、持ち替え時のストレスが少なくなります。
・楽器ごとの構えをするだけで、音色、音程のイメージを持てるようにすると、色々なスイッチが瞬時に切り替わり的確な持ち替えができます。
<<トランペット>>
B♭トランペット、Cトランペット、コルネット、フリューゲルホルン、ピッコロトランペット・・・・持ち替えのパターンは幾通りもあり、フリューゲルとコルネットなど、同じキーなのに全く音色が違うという、木管とはやや事情が
異なる場合もありますが、ポイントは一緒です♪
☆楽器を持ち替えた瞬間、頭の中もスイッチ!
つまり、音色のイメージも同時に変えることが大切です。
その為に、各楽器の音色をよく知る必要がありますね。
例えば、ピッコロトランペットだったら「モーリス・アンドレ」。コルネットだったら「ロジャー・B・ウェブスター」や彼も首席奏者を務めた「ブラック・ダイク・ミルズ・バンド」などのブリティッシュ・スタイルの金管バンドを聴く
と、イメージしやすくなるでしょう。
☆マウスピースに注意!
楽器同様、かなり形の違うマウスピースにも慣れておかなければなりません。
ピッコロやコルネットなど、どのサイズを使ったらいいか分からないという方の為に、プロのプレイヤーの多くが使っているサイズ、またはサイズ選びのポイントを書いておきますので、それを基準に自分に合った物を探してみて下さい。
『ピッコロトランペットのマウスピース』
口径が小さく、浅いものを使用。楽器がコルネット・シャンクか、トランペット・シャンクかも注意。
・シルキー11AX
・バック7E 7EWなど
『コルネットのマウスピース』
B♭トランペットのマウスピースよりもやや小さめで、深いもの。
・バック、ヤマハ、デニス・ウィック、ティルツなど。
『フリューゲルホルンのマウスピース』
必ずフリューゲル用の物を使用。やはり、B♭トランペットのマウスピースよりやや小さめで深い物。
太管か細管かでも違うので、自分の楽器に合った物を楽器屋さんで聞いて下さいね。(ほとんど太管ですが、ベッソンは細管です)
※上記のサイズに関しては、あくまでも参考までに・・・。
大事なのは、いい音が出ていて、スムーズに持ち替えが出来るということです。
誰かの真似をしても、自分にはあてはまらないこともあります。楽器屋さんに行っていろいろ試してみると良いでしょう。
☆練習すべし!
合奏の時だけ吹く・・・というのではダメです。
やはり各楽器、個別にきちんと練習しましょう。曲だけではなく、教則本なども取り入れて、音色、音程、音量をコントロールできるようにしておくことが大切です。例えばコルネットも、同じキーだからといって、すぐに順応できるわけではありません。
持ち替えた時の感覚にも慣れておきましょう。
最後に、高い音が出ないからという理由でピッコロトランペットを使っているケースがあるようですが、普通のラッパで出ないものは、ピッコロを使っても出ません。
また、他の特殊管と違い、ピッコロは、長時間吹くと調子を崩しやすいので、気をつけましょう。まずは普通のラッパで1オクターブ下げて練習する。何度も何度も通さない。など、練習方法を工夫してください。