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新年度に備えて楽器の点検をしよう!<ティンパニ編>

坂本雄希(Timpani)
2011.4.17

せっかくの楽器も、正しくお手入れしなければ良い演奏ができません。
木管、金管とお送りしてきました点検シリーズ、今回は「指揮者より影響力がある」とも言われるティンパニ!
その音色やタイミング一つで全体のサウンドを大きく左右する大切なパートの一つですね。
当団ティンパニ奏者の坂本が点検箇所、お手入れ方法を教えてくれました。
参考にしてくださいね♪

<<ティンパニのメンテナンス>>

金属部分は柔らかいクロス等で拭いてください。

ケトル等は手で触ると錆びてくる事があるので普段から触った場所は使用後に拭きましょう。

チューニングボルトを良く拭いた後ネジの部分にオイルをさしましょう。

チューニングボルトの受けの部分の汚れは、文房具店等で売っているモール等を使って掃除しましょう。

ヘッドは毎回拭いていても、ペダルのある土台の部分は掃除を忘れがちです。
土台の中にホコリが入ると色々とトラブルの原因になる事が多いのでこの部分もよく拭きましょう。

【ヘッドはいつ換えましたか??】

最低でも1年に1度は交換してください。
伸縮性がなくなって寿命の来ているヘッドは、どんなにチューニングしても合いづらいです。

一緒にエッジテープも交換しましょう。
エッジテープは音変えをする時にノイズが出てきたら交換時です。
エッジグリスの場合はケトルのエッジを一度きれいに拭き取ってから 薄めに塗りましょう。
厚く塗ると音が止まってしまいます。

【ヘッドはケトル(釜)に対してセンターにきていますか?】

ヘッドのセンターがずれていると、チューニングしても合いません。
ずれたまま使ってヘッドに跡がついてしまうと、その後にセンターに合わせてもずれてしまう事もあるので気をつけましょう。

ヘッドがセンターにきていてもヘッドの上のカウンターフープがセンターにきていないとチューニングは非常に乱れます。
カウンターフープとヘッドの間の隙間が下から手を入れるとわかるので調整しましょう。

【各サイズの最低音は合っていますか??】

最低音とはペダルを一番下まで下げた時の音程です。
特にバランスアクションの楽器(主にヤマハ、パール、ラディック)の場合、非常に大切になってきます。
※ペダルにロックやクラッチがついていない楽器は基本的にバランスアクションです。ヘッドのテンションと楽器の中にあるスプリングのテンションが同じになった時(バランスが取れた時)にペダルがとまります。

23インチはヘ音記号第2間のC
26インチはヘ音記号第1間のA
29インチはヘ音記号下第1間のF
32インチはヘ音記号下第2間のD
になります。

弾いている時にペダルが下がってきたり上がったりしてしまう場合は 最低音があっていない可能性大です!
スプリングとヘッドのバランスが合っていないのでペダルが止まらない訳です。
困った事に、最低音が合ってない状態で長く使っていると、その後に最低音を合わせてもペダルが動いてしまう事があるので、こまめに合わせましょう。

最低音を合わせてもペダルがとまらない場合は、スプリングの調整が必要です。
ただこれは非常に難しい調整なので自己流でやる事はお勧め出来ません。
なるべく専門家に見てもらってください。

弾いているとペダル(音程)が下がってしまう場合はスプリングの力が弱いので、スプリング調整ねじを締めて強める。
ペダルが上がる場合はスプリングの力が強いので調整ねじを緩めて弱めるという事が基本です。

この部分は長年調整していないと、ねじを回した途端壊れてしまう事もあるので、くどい様ですがなるべく専門家に見てもらってください。

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