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3rdクラリネットでサウンドが変わる!!

太田友香(Clarinet)
2012.7.8

暑い熱い夏がやってまいりましたね!コンクールに参加する団体の皆さんは、エンジンフル稼働で日々の練習に励んでいることと思います。

今日のテーマは3rdクラリネットの役目。

3rdクラリネットと言うと、1stや2ndクラリネットよりも目立たなくて地味・・・譜面も他の高音木管楽器より簡単で、下級生が受け持つパートというイメージを持っている方が多いかもしれません(涙)

しかし、侮ることなかれ!!一見華やかには見えなくとも、3rdクラリネットは、全体の響きにおいて、低音域、中音域、そして高音域すべてを結ぶ架け橋になる大事な役割を持っています。それどころか、その役割をきちんと果たせているかどうかで、楽団のサウンドが大きく変わるパートなのです。

従って、書いてある音符をスラスラ吹けるようになったら完璧なのではなく、その先の楽譜に書いていないことを感じ取り演奏することが重要になってきます。
例えば、長三和音のハーモニーを作る時、3rdは第何音を受け持ち、どの楽器と同じ音なのか。また、どの楽器と同じ音域なのか。そして自分より低い音域には何の楽器があり、高い音域には何の楽器があるのか。音程を合わせることはもちろんですが、音量や響きのバランスについても気を配って演奏することが
大事です。
よく、それぞれの音域の楽器をピラミッドに例えて、低音に乗っかってゆくイメージを持つと良いと言いますが、自分がそのピラミッドのどの位置に居るのかを意識すると良いのではないでしょうか!

私はTKWOの中で3rdを受け持つことが多いのですが、アルトサックスやテナーサックス、ホルンなど、クラリネット以外の楽器と一緒の動きをすることがよくあります。そんな時、耳からの情報だけではなく、一緒に吹いているメンバーを実際に見たり、見えない位置にいるメンバーは背中で感じて、「音を聴く」プラス「意思の疎通を図る」ことを試みています。同じ楽器同士はもちろん、違う楽器と音が混ざり合う瞬間ってとても気持ちが良いんですよね!

3rdクラの出す音域は低い事が多いため、客席に聴こえていないのではないかと不安になるかもしれせん。それでも「えいっ!」としっかり吹くのです。トゥッティで鳴っている音全てを聴き分けるのは不可能です。大切なのは自分たちの音がハッキリと聴こえるかどうかではなく、いかに重厚なサウンドに仕上げる役割を果たすかが、3rdクラの命の懸けどころです。

私はクラリネットの一番の魅力は、木の温かな音色だと思うのですが、ご存知の通り3rdクラが担当する低音域から中音域はまさにこの温かくて懐の深い音色のストライクゾーンですよね。大きな音を出す、指を速くまわす、などといった所を目指すのではなく(勿論出来るに越したことは無いのですが笑)、3rdクラリネットによって吹奏楽の魅力をより引き出すことを目指していって下さい!

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