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nazo|メルマガ ワンポイントレッスン|東京佼成ウインドオーケストラ Tokyo Kosei Wind Orchestra
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日本には、航空、海上、陸上自衛隊、警察、消防、海上保安庁音楽隊など官公庁(政府)に所属するバンドがあります。一部の地域の警察、消防と海上保安庁音楽隊を除き、これらは、常設のプロフェッショナル・バンドです。
また、これらの国立の音楽隊に加えて、日本には、2つのユニークなプロの吹奏楽団があります。大阪市音楽団は、80年の歴史を持つ日本で一番伝統のあるプロの吹奏楽団です。地方公共団体、大阪市に所属し、大阪市が、運営する世界でも例のない存在としても注目を集めています。もう一つのグループは、私が所属している東京佼成ウインド・オーケストラです。これもまた世界に例のないユニークなプロの管楽合奏団です。東京佼成ウインド・オーケストラは、1960年、東京の杉並に本部を構え
る仏教団体、立正佼成会の援助によって設立されました。1989年、92年の2度のヨーロッパ公演を成功させ、また、1999年の年末から2000年の年始にかけて台湾公演を行っています。ゲスト・アーティストとして、Branimir Slokar、Christian Lindberg (Trombone)、Raymond Young、Brian Bowman(Euphonium),Winston Morris(Tuba)、Allan Vizzutti、Yeh Shu Han(Trumpet)、Michaile Koffler(Flute)等。また、指揮者としてHans Graff、Donald Hunsberger、Douglas Bostok, Alfred Reed ほか様々な音楽家を海外から招いています。また、我々の桂冠指揮者(Conductor Laurie) は、Eastman Wind Ensemble の創設者として知られ、東京佼成ウインド・オーケストラの常任指揮者を12年間務めたMaestro、Frederick Fennell博士です。そして、佼成ウインド・オーケストラが、録音したLPとCDの数は300種を越えます。

編成

日本のバンドの標準編成は、米国の学校バンドとほぼ同じですが、吹奏楽コンクールの制限人数や課題曲の編成によって次のものが一般的な日本のバンドの標準編成とされています。
Piccolo & Flute 3, Oboe 1, Bassoon 1, E_Clarinet 1, B_Clarinet 6~9, Alto Clarinet 1, Bass Clarinet 1, Contra Bass Clarinet 1、 Alto Saxphone 2, Tenor Saxphone 1, Baritone Saxphone 1, Trumpet 3~6, Horn 4, Trombone 3, Euphonium 2, Tuba 2, String Bass 1, Timpani 1, Percussion 3~5 合計37~43
最近の傾向としては、Harpの普及が顕著であり、2台使用されるのも珍しくありません。また、トランペット・パートでは、Cornet、 Flugel-Horn , Piccolo Trumpet を使用したり、ユーフォニアムでは、 Baritone、オーボエは、 English-Hornの持ち替えなどがよく行われます。

音楽教育における吹奏楽

日本の音楽大学や音楽高校では、合奏の授業として吹奏楽(管打合奏)を行っていますが、それぞれの管・打楽器を専攻とする学生によって構成されるアンサンブルが、吹奏楽を一つの学問として捉え、その演習としてアマチュアにはないアカデミックな取り組みが活発に行われているとは、言い難いのが現状です。

指導者について

日本の吹奏楽の指導者は、音楽の教師とは限りません。電気や物理、国語、数学など様々な科目の先生が指導にあたっておられます。これらの先生方と生徒達は、音楽を媒体として人間教育に取り組んでいるのです。もちろん音楽科の先生やプロの指導者が直接、指導にあたるバンドもたくさんあります。また、日本吹奏楽指導者協会(Japan Bandmasters Association)や日本管打・吹奏楽学会(Bandmasters Academic
Society of Japan)のような研究団体では、吹奏楽を学問的に捉え研究、実践活動を重ねたり、或いは、専門的な指導者の育成を行っています。ですから日本の吹奏楽の指導者には、音楽教育と人間教育の二つの面があります。

楽譜・奏者・楽器

どの音楽の分野にもその音楽演奏が活性化する為には、三つの要素(条件)があります。
作品と楽譜の流通、それを演奏する奏者たち、そして、その要求に答える性能の良い楽器です。これらの三つの要素はお互いを支え協力しあって演奏が活発に行われるのです。吹奏楽の分野では、日本人のオリジナル作品は近年、質・量とも増えてきました。編曲作品に至っては膨大な数に上るでしょう。奏者の数は、推定60万人いるといわれています。そして、楽器の製作や販売・修理は、様々なメーカーやディーラーが、競っています。

欧米との比較

日本の吹奏楽(Wind Band)は、楽譜・奏者・楽器を見ても解るように大きな繁栄を築いているように思われます。しかし、ヨーロッパにおける金管バンドや吹奏楽が、しっかりと根を張った一つの文化(Culture)であるのに対し, また、アメリカにおける吹奏楽が、音楽教育であるのに対し、日本の吹奏楽は、ただの現象にすぎないという厳しい意見もあります。

将来の課題

日本の吹奏楽が、単なる盛んな現象というのは、確かに厳しい見方かも知れません。
しかし、日本の吹奏楽が抱える課題として、まず、社会性の問題があります。(普門館の外は関係のない世界という現状)そして、教育における学問としての扱われ方もこれから取り組まなければならない大きな課題でしょう。(音楽大学において専門家による専門的な教育がなされていない現状)また、学校バンドの現場では、少子化や男子部員の不足が問題とされています。

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