tubaテューバ
新品の楽器には音がつぼにはまっていないものがあります。何か改善策はありますか?
どの楽器にでも鳴りやすい音と鳴りにくい音があります。特に新品は鳴りにくい音がはっきりしているかもしれません。質問をいただいた方はミラフォーンの88をお使いですが、ミラフォーンは全てを機械で作る良い面が出ていて、楽器の当たりはずれが少なく、音程もいいと思います。
・焦らずゆっくり鳴らしてあげる
新品の楽器はまだ鳴ることを知らない共鳴箱だと思ってください。無理に鳴らすのではなく、ロングトーンなどをしながら共鳴させるように鳴らしましょう。そして時々力まずにフォルテで吹いてください。
・ねじ込むように吹かない
管が長くなる2.3や2.4の運指の音はどうしても鳴りにくいのですが、ねじ込むように吹くと音色が荒れてしまいます。力まずに同じようなたっぷりとした息で吹いてください。
・音程を確かめる
どの楽器にも必ず音程の癖があります。無理に吹くとつぼがはずれているように感じる時があると思います。チューナーを使って音程を確かめ、抜き差し管を調整してください。必要があれば左手で一番管などを抜き差ししてください。
・どの楽器にもいやな音がある
どんないい楽器にでもはずれやすい音があります。私が使っているような大きな楽器は特にです。その音はベルをたたいた時に出る音程と同じかもしれません。ベルが大きければ大きいほど、楽器が鳴れば鳴るほど、ベルが共振する音程に近い音が吹きにくく、はずれやすいのです。ベルの振動を止めるなどして防げるのかもしれませんが、せっかくの楽器の振動を止めることになります。ですから「楽器が鳴りたがる」ポイントに合わせるように吹いています。
小倉 貞行