先日MW2165をはじめて吹きました。
古いモデルのようで、ベルの中にリング、
ピストンにボトムキャップがついていました。
上のCでチューニングしチューニング管を2cm抜き合わせました。ですが真ん中のGが低い。
1番管Bbは入れたまま、Bは非常に低く入れたままでも低い。AとEは1,2で高く、3で非常に低いです。(YAMAHAのC管では3番でA,Eをとっています)
5番は1cmほど抜き2,3,5で合います。
口で無理やり高めに吹けばB(2番)もA(3番)も合うのですが、合奏やパート練習でスケールを吹く際ピッチが低いので出だしがまったく合いません。
こういう楽器は慣れで解決できますか?
それとも使い物にならないと判断すべきでしょうか?
他の人が吹いても同じ結果でした。
管をカットすれば劇的に変わるのでしょうか?
3、4番はかなり長い管ですよね?
チューニング管、3,4番のカットで解決できるものなのでしょうか?
ご使用している小倉さんにぜひともご意見いただきたく質問いたしました。
結論から言うと、楽器のバランスが崩れますからカットすべきではないと思います。
ベルの中にリングが付いているのは私が使っているのと同じ、一番重いモデルだと思います。
2165は元ニューヨークフィル奏者のWarren Deckモデルで、他のヨークモデルが「大きくて軽い」のに対し、彼が音色の理想を求めて「大きくて重い」楽器を作った結果です。もう彼の生の音を知っている人は少なくなりましたが、今でも私が理想としているC管の音色です。
確かにいくつか音程や鳴りに癖がありますが、それは重量感のある音色を求めたためです。
一番の癖は第4間のGがはずれやすいこと、それと第3線のD♭が高いことだと思います。
このD♭、私は3番を使っています。
はずれやすい音があるのはベルの大きな楽器に共通した欠点です。
これはたぶんベルの持っている振動と共振するためだと思います。
2165のベルを指でたたくと低めのGの音が鳴ると思います。
Gを低めに吹くとベルが共振するのですが、少し高めに吹くと上に音がひっくり返ります。
ベルを小さくしたり、ベルの振動を止めれば改善されるのですが、楽器の響きも止めてしまうため諸刃の剣になっています。
その他の音では、私は下第二間のD♭を235で吹いています。
あとは音程の癖はあまり無いはずです。
今までの楽器と同じ音程感で吹いているか、楽器の持っている本当の音程で吹いていないからかもしれません。
Warren Deck引退後、たぶん吹きにくいという意見を取り入れ、リングを取り外すなど、軽い楽器になりました。
私も軽くなった2165のハンドメイドモデルをアンサンブル等に使っています。
癖が少なく、吹きやすくなりましたが、ホール全体を鳴らしきるようなあの圧倒的な重量感はありません。
現在は作っていない貴重なモデルですから、もし吹きこなせるなら大切に使って下さい。
小倉 貞行