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クラリネット128|クラリネット|東京佼成ウインドオーケストラ Tokyo Kosei Wind Orchestra
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Q & A by TKWO Players
奏法Q & A

clarinetクラリネット

40代女性です。中学高校でブラスバンドでクラリネットを吹いていました。30年ぶりにクラリネットのオーバーホールをしたことを機に個人レッスンを受けはじめて半年たちます。先生と相談しマウスピースを数か月前にバンドレン5RVライヤーに替え、この時は音色に変化は感じませんでしたが、1か月程前に、リガチャーを新調したところ、音色がすっかり変わってしまいました。もともとクランポンのシルバー製のもの(楽器に付属していたもの)を使っていましたが、すこし歪んでしまっているので同じ型の新しいものを新調しました。音色については古いリガチャーではクラリネットらしい音が出ていた気がしますが新調したもので吹くとバスクラのような?サックスのような?バ
リバリした音になります。(ひどい音でショックです。)リードはバンドレン青箱の3を使用していましたが、新調したリガチャーでは薄すぎる気がして3半を入手してこれから調整予定ですが、ちょっと吹いたところ3半では何か厚すぎるか硬すぎるかしっくりこない感じです。リガチャーはレッスンを受けている先生が選定してくれたものです。気になるなら自分で選びなおすのがいいのか、それとも、このリガチャーがまだ新しいからそのうちなじんでくるのか、わかりません。古いものに比べてマウスピースに形がなじんでいないのは目でみてわかります。古いものは角度からマウスピースを囲む形からピッタリ合っています。ただ少し占め口が歪んでしまっています。今まで奏法での悩みとして太い音があまり出な
いのと、苦しくなって長く吹いていられないことでした。あたらしいリガチャーで吹くと音は雑ですが太くはなります。古いリガチャーで吹くと音はまろやかな気がしますが、細いです。古いリガチャーに合わせて音色を出すための吹き方ができあがってしまっていたのかもしれません。
趣味で吹いているものですが、音色の変化について今ショックを受けておりまして、何かアドバイスをいただけると幸いです。クラリネットは30年前に購入したクランポンE13タイプのものですが、現在の型とは少し違うようです。ドイツの会社で作られています。クラリネットは30年ぶりに吹き始めたところです。よろしくお願いいたします。

あなたの悩み、とても良くわかります。
まず知ってほしいのは、あなたの言う「まろやかな音色」と「響き」は相反するものであるということ。
どういうことかと言うと、倍音の多い響きのある音は、ともすると開いた音に感じるものなのです。そこから倍音を削ぎ落としてどんどん響きの無い音にしていくと、最終的にはエレクトーンのような電子音になります。
日本人はどちらかというと音の開いてないエレクトーンに近いような音を"まろやか"と好む傾向にあります。仕掛けを詰まらせて響きを抑えてしまうのです。きっとあなたの好みもそちらのタイプなのでしょう。だからこれまでのリガチャーは詰まっていたのだと思います(もしかしたらそれは最初からではなく、リガチャーが古くなってきてだんだん詰まってきて、それに慣れたのかもしれませんが)。
今まで使っていたリガチャーが「苦しい」ことと「音が細い」ことがそれを物語っています。詰まったものは息が入らず抵抗感があるので苦しく、強い音が出ないからです。
でも倍音の少ない音は他の楽器とハモりにくく、遠鳴りしにくい点があるので、やはり響きは大切です。
だから先生は良く鳴るものを選んでくれた(リードが薄く感じるのはそのせい)のですが、詰まるのが好きなあなたには音がビリビリ感じるというわけです。

でも確かに、開いてビリビリした音は嫌ですよね...。
私達は、まるで狭い塀の上を歩くように「響きがあってまろやかな音色」を探しています。
右に転ぶと、鳴るけど音が開きすぎる...左に転ぶと、音は柔らかいけど詰まってしまう...だからその中間の丁度イイ所をいつも探しているのです。
音がまろやかなのと詰まっているのは紙一重、音が開いているのと反応が良いのは紙一重、ということを覚えておいてください。

さて、あなたの場合どうすれば良いかですが、やはり自分の好きな音色は求めた方が良いと思います。そうじゃないと吹いてて楽しくないですもんね。
もう一度リガチャーを選び直すか、リガチャーが良いものなのなら、それに合うマウスピースを新調する手もあります。マウスピースが古いなら、音が細いのはもしかしたらマウスピースのせいかもしれませんよ。少し抵抗のあるものにするとまた3のリードが吹けるかもしれません。
そして、少しだけ私が説明してきた事も考えてみませんか?
今のあなたの好きな音が、もしかしたら塀の上から詰まる方に転んでいるかもしれませんよ。
音を決めるのは、楽器・マウスピース・リガチャー・リード・吹き手の組み合わせですが、個人的には仕掛けは反応が良いものが一番で、どこかに少~しだけ抵抗感をつけて音をまとめるのが好きです。
色々自分で試してみてください。

大浦綾子

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