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バス・クラリネットのコツ

有馬理絵(Bass Clarinet)
2009.5.24

皆さんこんにちは、バス・クラリネットの有馬理絵です。
ちょっとしたコツを掴んで、より楽に、きれいな音が出せるように・・・。
レッスンをする中でいつも感じる問題点。自身が演奏中に考えている事を基にアドバイスしたいと思います。

まずは皆さんどういう経緯でバス・クラリネットを担当する事になったのでしょうか? 中学、高校生で始めた場合、最初からバス・クラリネットのみを吹いている人が多いように思います。 一般の方になると、クラリネットを吹いていながら、並行してバス・クラリネットを・・・という人も多いかと思います。

私はというと、中学生の時からクラリネット、バス・クラリネットを並行して演奏してきました。 クラリネット専攻で大学に入りましたが、クラリネットアンサンブル、オーケストラの授業等で、しばしばバス・クラリネットを吹いていました。

そして現在に至るのですが・・・ まず1番に言える事は

『クラリネットとバス・クラリネットは別物である』という事です。
特に、クラリネットと並行して演奏する。という人の場合、楽器間での発想を切り替える事が1番大切です。

具体的にどういった点を切り替える必要があるのか。
(1)アンブシュア
(2)音程感覚
(3)合奏における役割
主にこの3つが挙げられます。

まずは(1)のアンブシュア。
楽器メーカーにより、ネック、マウスピースの角度が若干異なるのですが、どんな角度でもマウスピースに息がまっすぐ流れるように構える事が大切です。

中学、高校生の女の子の場合、制服のスカートをキーに挟まないように注意するあまり、楽器を自身から遠い所に構えてしまい、マウスピースにぶら下がる様な姿勢で吹いている人を多く見受けます。

この構える角度で音色が驚く程変わります。 是非自分の姿勢をチェックしてみて下さい。
「高音域をきれいに鳴らすにはどうすれば?」という質問をいつも受けるのですが、これもアンブシュアの問題が大きく影響します。 クラリネットの場合、高音域では口にある程度の緊張感が必要なのですが、バス・クラリネットでは適度な弛緩(下唇を少しゆるめる)が必要です。 同時に意識的に口の中を広げる事が大切です。

(2)音程感覚ですが、まずオーケストラでチューニングする記譜のシ(もしくはド)。この音は楽器の構造上、音程が非常に高くなってしまいます。 この音を442Hzにするにはネックでの調整だけでなくアンブシュアによる調整が必要です。口を緩め、リードが響く面積を意識的に広くする訓練をしなければなりません。 反面、ト音記号第一間のファ、第二線のソ、第二間のラは音程が低くなる傾向があります(クラリネットではこれらの音は高くなるのですが)。 ネックでの調整はこれらの音を基準に調整しましょう。

(3)合奏における役割。 バス・クラリネットは音域が非常に広いため、伴奏、オブリガート、メロディ、全ての役割を担います。
伴奏では、主に低音楽器としっかりコンタクトを取り、更には打楽器にも注意が必要です。 メロディではクラリネットやトランペットの1オクターブ下を支える事がしばしば。 音量のバランスなどに注意が必要です。
伴奏からソロパッセージまで、曲中、あらゆる場面に対してのバランス、音色感の切り替えを意識する事がとても大切です。

以上の基本的ポイントに注意して、楽器の魅力を存分に引き出したいですね。
バンドの支えとなり、色づけとなり・・・低音楽器としては非常にソロが多く'オイシイ'楽器です。様々な表情を探究していきましょう。

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