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クラリネット気になるあれこれ

林裕子(Clarinet)
2013.7.7

ムシムシと暑い日が続きますね。
6月は中高生を対象にしたクリニックが多い時期です。
4月に吹奏楽部に入学して音楽を始めた人、あるいは小学校、中学校の時から続けて高校で同じ吹奏楽部に入部した人、それぞれだと思いますが、今日は普段クリニックの講師をさせて頂いている経験からいつも気になっている事を挙げてみたいと思います。

その1

『マウスピースとリガチャーは出来るだけ自分専用のものを』

クリニックを行っていて、いつも気になるのがまずこれ。
先輩が何代にも渡って使用したマウスピースやリガチャーを使用している学生さん達が多いように思います。衛生的な問題に加え、長年使われたマウスピースは先端に傷がたくさん付いていたり、中が削れてきたりして状態が良くありません。河原にある石を思い出してみてください。石も時を経て下流に行くにつれ、どんどん丸みを帯びてきますよね。マウスピースも同じです。内径が少しずつ変わっていきます。ある程度消耗品だと思って下さい。

特に歯をぶつけたり落としたりせず、傷がない場合でも1年から2年くらいをメドに新しいものに変えると良いと思います。歯を勢いよくぶつけてしまったり、大きく傷がついてしまった場合は出来るだけ早く新しいマウスピースに変える事をお勧めします。傷ついたマウスピースは息がうまく入らなかったりして、吹きにくくなります。一番怖いのは吹きにくくなった状態に慣れてしまって、その状態でずっと吹き続けて良くない癖が付いてしまう事。

リガチャーについては、金属製の物は金属疲労があります。ネジがうまく締まらなくなったりしたら変え時です。革製の物は革が伸びてしまいます。金属製のリガチャーも革製のリガチャーも1年くらいをメドに新しい物に変えましょう。
また、マウスピースもリガチャーも、同じ種類でも個体差があるので、可能であれば講師の先生などにお願いして選んでもらうと良いと思います。
マイ楽器は無理でもマウスピースとリガチャーは自分専用の物に出来ると良いですね!


その2

『楽器のメンテナンスしていますか?』

マウスピースと同じくらい気になっているのがこの問題。クリニックをしていると、時折私が吹いても音が出ない楽器を一生懸命吹いている学生さんに出会います。ある程度経験を積んだ上級生になるとおかしい事に気付くかもしれませんが、特に初心者の子たちは教えられた通り吹いても音が出なくて、自分を責めてしまう事があります。これでは楽しくありませんよね。ちゃんと自然に音が出る良いコンディションの楽器である事を確かめたうえで渡してあげましょう。音が出ても詰まる楽器、タンポが浮いてしまっていて音が出にくい楽器は調整が必要です。その状態を放置しておくのではなく、顧問の先生や、マイ楽器であれば親に相談して、気付いた時点で対処しましょう。
学校の楽器でもマイ楽器でも最低でも1年に1回は楽器のメンテナンスが出来ると良いですね。その1でも言っていますが、悪い状態に慣れてしまわないように。

その3 

『欠けたリードで吹き続けるのはやめましょう』

とても吹きにくそうにしている学生さんがいる場合、私は原因を探るべくまず楽器ごと渡してもらって、どういう状態で吹いているのかを見る事から始めます。その時によくあるのが、リードの先端がギザギザに欠けている事。この状態で吹ける訳がありません。リードの先端が欠けてしまったら潔く諦めて新しいリードを探しましょう!


その4

『薄すぎるリードで吹いていませんか?』

これに関しては逆もしかりですが、どちらかと言えば薄すぎるリードで「ぺーっ」と吹いている人が多いように思います。

【薄いリード=吹きやすい】というわけではありません。

薄すぎるリードに息をしっかり入れると引っ付いてしまい、逆に吹きにくかったり、音が出ない場合があります。リードはある程度のコシが必要です。薄くてもコシがあるリードはまだ良いですが、コシもなくて「ぺーっ」となってしまうリードはうどんで例えると茹で過ぎてほとんど溶けかかっている状態でしょうか。全然美味しくないですよね。息もしっかり入って、管全体がちゃんと鳴っているように感じるリードで吹きましょう。
私の場合初心者には3番のリードから始めるよう勧めています。もちろん小学生や小柄な人ですと、そうもいかない場合があると思いますので、様子を見ながら始めてみて下さい。


以上、特に気になる事ベスト4を挙げてみましたが、いかがだったでしょうか。少しでも良い状態で、皆さん楽しく音楽が奏でられますように。

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