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トランペット003|トランペット|東京佼成ウインドオーケストラ Tokyo Kosei Wind Orchestra
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Q & A by TKWO Players
奏法Q & A

trumpetトランペット

私は高3、高校から楽器を始めました。それまで音楽とは無関係で楽譜も読めない所から始めました。ここ1年特に必死に練習し、やっと音域も広がり、思うように吹けるようになってきました。私は、男性奏者の中に混ざりかっこよくトランペットを吹く安藤さんにあこがれます。そこで質問したいことがあります。男性奏者に負けないように頑張られていることはありますか?やっぱり、男性に比べ肺活量など損なことがあるように思うのです。

質問の回答ですが、結論から言うと「ノー」です。

私は「男性に負けないように」頑張るのではなくて、「いい音楽家になれるように」頑張っています。

肺活量が少ないのであれば、ブレスの回数を増やせばいいし、身体が小さければ、

自分に合った小さめのマウスピースや、軽めの楽器を使えばいいのです。

大切なのは、あくまでもいい音が出ているか、いい演奏ができているかということです。

また、勘違いしないでほしいのですが、管楽器を演奏する上で重要なのは、息の「量」ではなく、自分の肺の何パーセントを使っているかです。浅いブレスではいい音は出ません。常にブレスを深く取って吹けば肺活量が少なくても、ちゃんと良い音が出ます。

シカゴ交響楽団のテューバ奏者だった故アーノルド・ジェイコブス氏は、片方の肺を手術で取ったあとも、それまでの半分の肺活量にもかかわらず、世界に誇るシカゴ響の金管セクションをしっかり支え続け、80歳を過ぎてもすばらしい演奏をしてきました。

そうして自らの演奏で証明してきた「重要なのは力や肺活量ではない」という彼の考え方は、管楽器すべてに共通するもので、世界中の多くのプレイヤーが影響をうけています。

演奏家に必要なのは「力」でも「肺活量」でもなく、

「良い音のイメージ」と「音楽的センス」、そしてそれを実現する為の努力だと思います。

以上のことから、男女で比較をすることはあまり意味のないことだということがおわかりいただけると思います。

逆に知識としての男女の差を気にしすぎると、正しいことが見えなくなってしまいます。

そしてそれが思いこみにつながっていきます。

そんなことよりも、良い音楽を沢山聴いて、出したい音のイメージを強く持つことが大切です。

トランペットがあなたに向いている楽器であれば、努力次第で思い通りの演奏ができるようになります。 安藤真美子

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