私は、中学二年生で、吹奏楽部に入っています。八月のコンクールまでに、どうしても出なくてはならない高い音があります。どうしても、すぐ高い音を吹けるようにならなくてはいけないのです!無理かもしれませんが、どうかお願いしますっ!!
高い音についてですが、単刀直入に申しますと、残念ながら短期間で
出るようになる<裏技>のようなものはありません。
ただ、これから書くことをよく読んで、最善を尽くして下さい。
○まずおちついて(^_^)
メールから、とてもせっぱ詰まった様子が伝わってきました(笑)
でも、まだ3ヶ月以上あります。正確に、何日、何週間あるのかをしっかり数えましょう。
そして、細かい目標を設定して下さい。
「×月×日までにこの音が出せるようになる。」
「×月×日までにこの部分が吹けるようになる。」などなど。
とにかく、楽器の上達には、エレベーターのような自動的に上に連れて行ってくれるものはありません。
自分の足で一段ずつ上っていかなければなりませんので、「目標までほど遠いな~」と思っても、
あきらめずに、のぼり始めて下さい。
○高い音に限らず、苦手なこと、できるようになりたいことがあったら、
常にそのことを考えて下さい。
「どうしたらできるようになるか」「何かいい方法はないか」
と、いつも考えていると、人の演奏や普段の練習からもヒントが見つかりますし、
アイデアも生まれます。
「誰か答えを教えてくれないかな~」と待っていたら、
8月はあっという間に来てしまいます。
毎日を無駄にしないで下さい。
○普段の練習に一工夫して下さい。
例えば、ロングトーンや、リップスラー、音階など、毎日の練習メニューの音域を、少しずつ広くしてみて下さい。
高い音は、「出ないかな~」「出たらいいな~」と思っているだけでは出ません!
実際に出してみないと、脳や身体が<高い音の出し方>を学習できませんから、
例えば音階やリップスラーも、いつもよりゴールを少しずつ高い音にしたりして、
めげずにチャレンジして下さい。
自転車に、初めから乗れる人なんていません。みんな何度も転んで、身体で覚えますよね。
ラッパも一緒ですよ。初めから高い音が出る人なんていません。みんな苦労して必死に練習しているんです。
「私はここまでしかできない」と、勝手に限界を決めてしまわないで下さい。
○SONG & WIND
SONG=歌、WIND=風、すなわち息 ですね。
ラッパを吹く時は、まず頭の中で強くイメージします。「こんな音を出したい」「こんな風に演奏したい」
そしてそのイメージを実際の音にするためにしっかり息を使って吹きます。
この、頭の中のイメージ(SONG)、SONGを音にするための息(WIND)、どちらが足りなくても、
思い通りの演奏はできません。SONG & WINDを常に心がけて下さい。
○出ない音に原因があるのではなく、その手前に原因があります。
[ハイ・べー]が出ないとします。出ないからといって、その音ばかりを練習してもだめなんです。
その下の段階で、必ず音色が(悪く)変わっている音があるはずなんですね。
<いい音の先に次の音がある>ので、まず自分の音をよく聴いて、すでに出せる音を、より良くして下さい。
音が良くないということは、良くない状態で吹いているということですから、まずそこを直したら、
次の音が見えてきます。
○本番を想定した練習を
目標の音が、なんとか出るようになったと仮定します。
それを本番でキメる為には、なるべく本番に近い状態を作って練習するといいですよ。
その曲を通す練習や、誰かに前に座ってもらって、人前で吹く訓練などなど・・。
録音するのもいいですね。
○行き詰まったら・・・
こんなに練習しているのに出ない!と、あせる時もあると思います。
でも、楽器の上達は、グラフにすると、意外となだらかではありません。
ずっと停滞していて、急にできるようになったりするんです。
しかし、それは、停滞中も努力をおしまず、あきらめなかった場合です。
安藤真美子