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トランペット277|トランペット|東京佼成ウインドオーケストラ Tokyo Kosei Wind Orchestra
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Q & A by TKWO Players
奏法Q & A

trumpetトランペット

高校の吹奏楽部で、基礎練習係をしている者です。私はクラリネットを吹いていて、トランペットのことが詳しくわからないので質問させていただきます。

質問というのは、トランペットの構え方やアンブッシュアについてです。
私の学校のトランペットパートは、皆、フォームやアンブッシュアが、プロの方と比べると全然違っていて、
楽器が下がっていたり、ピストンの位置が真上にきていなかったり、マウスピースが唇の真ん中にきていなくて、マウスピースから上唇がはみ出てる人もいます。
正直、あまり上手いとは言えない状況で、新体制になった今は私としても不安材料です。

正しいフォーム、アンブッシュアに直してもらった方がいいでしょうか?
また、直してもらうとして、どんな練習をどんなことに注意してしてもらったらいいでしょうか?
パートのほとんどが、小中学校から楽器を吹いているので、自分の奏法があるとは思うのですが・・・どう思われますか?

同じ管楽器でも、他の楽器となると全くわからないものです。
そんな中で注意深くメンバーの観察をして、的確にポイントをとらえているので、とても感心しました。
本当は実際に演奏しているところを見せていただかないときちんとしたお答えは難しいのですが、いただいた質問の内容からわかることもありますので、それを元に良い音と姿勢との関係をお伝えします。

★楽器の角度
骨格、歯並び等で変わりますので、あまりみんなで揃える必要はないと思います。プロ奏者の中にも、いろいろいます。私が尊敬する元NYフィルのフィリップ・スミス氏は首をかしげるようにして吹くし、楽器もわりと下を向いています。その人にとって自然で一番良い音が出るところであれば問題ありません。マウスピースの位置も、歯並びによります。私は少し左に寄っていますし、左右対称の人はいませんので、やはり出ている音で判断するのがいいと思います。


★楽器を吹く姿勢
姿勢が悪くて楽器が下がっているようでしたら改善できます。以下を参考にしてください。

1.まずリラックス、脱力します(操り人形になったようなつもりで)
2.上から誰かにひっぱられるようなイメージでスッと上半身を伸ばします(頭にヒモが付いていて、自分でそれを引っ張るようなジェスチャーを実際にしてみてください)これが基本姿勢です
3.楽器を左手で持って、右手はかるく添えるようにセットします。その際、右手は、指のお腹でピストンを押すようにして(関節ではありません)、親指もマウスパイプ(マウスピースをセットする所からチューニングスライドまでの真っ直ぐなパイプのこと)に引っかけるのではなく、一番ピストンと二番ピストンの間くらいに添えて、手にゴルフボールが入るくらいの空間を作ります。つまり手のひらがマウスパイプから離れている状態です。
すると、自然に肘が身体から離れて脇が開きます。これで身体がリラックスして、肺にたっぷり空気が入る状態になりますね。脇が閉まっていると、肺が膨らむスペースを押さえつけていることになり、余計な力も入ってしまいます。
4.ピストンが真上に来ていないというのは、私もそうなのですが、あまり気にせず、3.までの姿勢がきちんとできていれば大丈夫です。人によっては少し右に傾いている方がピストンを押しやすくなって自然に吹けるという場合もあります。あまり度が過ぎて身体も傾いてしまうようなら、気をつける必要があるかもしれません。

以上のように、身体が自然にスッと伸びた状態のところに楽器を持ってくる。「自分が楽器に向かって行く」のではなく、「楽器を自分のところに持ってくる」です。これで見た目にも上手そうに見えますし、実際良い音を出す為の大切な一歩です♪

★アンブシュア
上唇がマウスピースからはみ出ている人は時々見かけますが、唇の赤い部分は柔らかく弱いので、そこをリム(マウスピースの口に当てる輪っかの部分)で押さえてしまうと、すぐにバテてしまいます。また、赤い部分は振動するリードそのものですので、それを半分押さえつけてしまっていることになります。肌色の部分は筋肉で肌も強いですので、本来はそこにリムを当てていることが望ましいとは思います。
ただ経験者が多いとのことですので、もしアンブシュアを変えるとなると、その子にとってはかなりの覚悟が必要で、時間も掛かります。先に述べたように、良い音が出ていればOKですので、どうしようもなく壁にぶち当たって、一時吹けなくなってでも変えたいと「本人が」思うのなら、変えてもいいと思いますが、すでに何年もその奏法で吹いているのであれば、そのままでもいいのかもしれません。他にも上達するポイントは沢山ありますので。

安藤真美子
 

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