中学校で吹奏楽の指導しています。音楽科なので吹奏楽部の顧問をしていますが、学生時代も吹奏楽の経験がありませんし、新しい中学校に異動になって、吹奏楽を指導するのも2年目です。
現在、ロングトーンの練習に力を入れて、個人練習も基礎合奏の練習もロングトーンばかりやっています。今は特に、楽器にたっぷりと息を入れることと、余分な力を抜いて、自然で素直な音で吹くことの2つに絞って意識させています。(腹筋、背筋を使って息を支えまっすぐと吹くということは前提で)
2年生のトランペットの生徒が、「口の中が狭くなって、胸も苦しくなって、前よりも音が悪くなった気がする」と訴えて来ました。実際に出ている音は、本人が言うほど悪くなってはいないように思います。「お腹の支えは、今まで以上に意識するようなった」とも言っています。
「口の中が狭くなった気がする」「胸が苦しくなる」ということの原因は何が考えられるか、今行っている練習に問題はないか、また、改善する練習方法を教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
楽器によって条件も違うと思いますので、以下はトランペットに限った意見です。
トランペット奏者にとってロングトーンはとても大切ですが、やりすぎると逆効果になる可能性もあります。
ロングトーンの目的は、音作りです。自分の音をよく聞いて、イメージする音色に近づけていく作業です。
しかし、あまり長くしつこくやっていると、唇への負担が大きいのですぐにバテてしまいますし、ルーティンワークになって、ただだらだらとやるという悪い習慣につながっていきます。
また、残念ながらロングトーンだけで曲が吹けるようにはなりません。
ロングトーンと同じくらい大切な、タンギングやリップスラー、音階やリズム、フレキシビリティの練習なども同時にきちんと取り組む必要があります。
例えば、トランペットは音が立つので、tuttiの中で音色だけでなくリズムも目立ちます。でもリズムは頭で分かっていても演奏できるものではありません。訓練が必要です。
他の要素についても同じことが言えます。
練習の仕方としては、まずこれができるようになってから次はこれ、という方法ではなく、生徒のレベルに合わせてある程度同時進行でバランス良く練習することで、それぞれの要素がお互いに活かされて総合力がつくと思います。
例えばロングトーンでタンギングは上手くなりませんが、タンギングの練習の時に同時に音色のことを気をつけることはできる。という具合に、いろいろやって初めてそれぞれの要素が繋がっていくというイメージです。
そうすることで、ロングトーンで磨いた音色を実際の演奏に活かせるようになり、それを生徒が実感できれば、つまらないルーティンワークになることもなく、目的意識をもってロングトーンにも取り組むことができるのではないでしょうか。
ですから、ロングトーンにかたよらず、楽しく曲にチャレンジしたり、トランペットの教則本を使っていろんな練習をバランス良く取り入れていただきたいと思います。
トランペットの生徒が調子を崩していると感じるのは、ロングトーンが原因なのかはわかりませんが、
最初にも申しましたように、唇への負担が大きいですので、休みも上手く取って(休憩も練習の内と言うくらいです)練習メニューを工夫してみてはいかがでしょうか。
安藤真美子